アパート・マンション・ビル・工場・住宅の外壁塗装、改修工事は八王子のリフォームステーション泉建装にお任せください。
八王子の狭間町で2023/01/12から2023/02/06に施工したM様邸の軒(のき)ゼロ住宅のサイディング外壁に起こった不具合の事例と対応方法をご紹介します。
泉建装HPを見たM様より、外壁塗装の見積もり依頼のご連絡をお電話でいただきました。
築10年ぐらいで初めてのお手入れとのことでした。
▲屋根:
退色を確認。今回塗装するかは要検討。
屋根は退色しているからといって必ずしも再塗装などの手入れが必要とは限らず、また種類も多いことから図面に記載されている品名などを基に調査を行います。
今回の屋根材はアメリカのオーウェンスコーニング社のもの。オーウェンス コーニング ジャパン合同会社に問い合わせ。推奨改修案や塗装材の有無等問い合わせ確認するなどします。
一般のユーザーからすれば当然のことと思われるでしょうが、意外にも事前調査を行っていない業者が多いようです。
・建築コストの削減:軒部分の建材が不要になるため、建築コストを抑えることができます。
・シンプルでモダンなデザイン:軒がないことで、シンプルでモダンなデザインが実現できます。
・都市部の限られた敷地を有効活用できる:都市部の限られた敷地を有効に活用することができます。
・雨漏りのリスクが高まる:軒がないことで雨水が強風などで巻き上げられ棟板金と外壁の隙間から侵入し、雨漏りのリスクが高まります。
・外壁の劣化が早まる:軒がないことで紫外線や雨水が直接外壁に当たり、劣化を早める可能性があります。
・夏の日差しが室内に直接入ってくる:軒がないことで夏の太陽光が室内に直接入ってくるため、室内の温度が上昇しやすくなります。
前述のような特性があり、デメリットにある雨水の浸入も考えられますが、その他にも内部結露が考えられます。
現在は技術的検証も進み、屋根と外壁の取合いに通気を兼ねた雨水の逆流を防止する金物を取付けるのが広まっていますが、軒ゼロ工法の採用が多くなった当時に、このような便利な金物は広く流通していませんでした。だからといって、通気についての工法がなかった訳ではありません。
サイディングを張る際は、サイディングと木下地の面材などとの間に通気を設ける通気工法が一般的ですが、この通気が上手くできないとサイディングの背面に結露が起こり、結果的にサイディングの表層が剥がれるなどの不具合を起こします。通気を考慮しない直貼り工法などにも同様の不具合を目にします。
▲赤で囲った通気層に湿気が滞留してるイメージ図
不具合を起こしているのは、屋根材と壁材の取合いの隙間にシール処理されていることから、サイディングと木下地の面材との間の通気層が密閉されることで起こる結露が原因であることが考えられたため、傷んだサイディングは予備軍を含め部分的に張り替え、屋根と壁の取合いには通気用の金物を取付け、通気を確保する計画としました。
▲通気部材で通気を確保したイメージ図
次に、屋根について「一般的には下葺き含め30年で設計されている。既存12年で色落ち等気にならなければ塗装は不要。」とのメーカーの見解が得られたことから、
このことを前提に、今回の工事では屋根の塗装はせず、期待耐用年数15年の塗料にて外壁塗装を行い、次回27年目(築12年+15年後)のタイミングで屋根葺き替えorカバーを検討することとしました。
その他に、サイディングとサイディングの間の目地はシールの打ち替え、バルコニーの床の防水はFRPの1PLY(ワンプライ)工法で実施するプランとし、ご採用いただきました。
また、この工事は八王子市居住環境整備補助金を利用し行うことになりました。
▼補助金の内容はこちらを参考ください。
補足となりますが、外壁塗装の補助金の交付要件として「八王子市の景観ガイドライン仕様」に適合している必要があります。
泉建装では、取扱うメーカーの標準色のどれが該当しているのか、予めリサーチした資料を整備しているので、申請までの時間を短くできます。
足場設置後、泉建装担当者が張替えを計画した範囲で問題無いか改めて確認します。
その後、サイディングの撤去へと進みます。
▲シール撤去
外壁と屋根の棟板金との間に打たれているシールを撤去。
▲サイディング撤去中
▲サイディングの裏面
カビが繁殖しているのが確認できます。
▲通気金物(断面)
▲通気金物下からの写真
金物の左側と右側に通気口が設けてあります。
▲取付状況
上部写真の左側が壁の内側の通気層の位置に取付けます。
▲通気金物取付後
通気金物を胴縁に取付けます。
▲サイディング張替え後
▲コーナー部(同質出隅)張替え後
▲屋根の棟板金再取付
通気金物とサイディングの張替え後に屋根の棟板金を再取付し、サイディング張替えと通気部材取付までが完了。
ここからは通常の塗装工程となります。
▲高圧水洗浄:外壁
▲高圧水洗浄:アプローチ床
高圧水洗浄は、アプローチ床のタイルも洗浄します。
▲錆止め:屋根棟板金など
屋根は本体の塗装はしませんが、腐食が考えられる屋根の棟の板金など含め、金属への錆止め塗装を行います。
▲養生:サッシなど塗装しない箇所に養生を行います。
▲全面を下塗り
▲中塗り(上塗り1回目)
今回の塗装はツートンなので色分けに合わせ、それぞれに中塗りをしていきます。
▲中塗り後(上塗り1回目後)
▲仕上げ塗り後(上塗り2回目後)
それぞれ塗分け外壁塗装は完了
▲中塗り(上塗り1回目)
▲仕上げ塗り(上塗り2回目)
外壁塗装後に金属など付帯部へ中塗り仕上げ塗りを行います。
【塗装仕様】
外壁下塗り:アレス水性エポレジン
外壁中・仕上塗り:アレスダイナミックトップ
金属下塗り:スーパーザウルス2赤錆
金属中・仕上げ塗り:セラMシリコンⅢ
付帯部(破風・樋など)中・仕上げ塗り:セラMシリコンⅢ
シールに塗装を乗せるとシールの伸縮率と塗膜の伸縮率の違いから塗膜が割れることがあるので、今回のシールは化粧(後)打ちです。
▲シール撤去
化粧(後)打ちの場合は、外壁などの塗装工程を先に終わらせた後にシールの撤去から行います。
▲シール養生後、専用プライマー塗布
▲シール材充填
▲へら押え
▲完了
▲目粗し
清掃後、グラインダーにて表面の目粗し
▲脱脂
▲プライマー塗布
▲マット張り①
▲マット張り②
▲トップコート①
細かい部分はハケで
▲トップコート②
大きな面はローラーでトップコートを塗装
▲完了
今回の仕様は、既存のFRP防水に防水用ガラスマットを増し張りしする1PLY(ワンプライ)工法です。ただ表装のトップコート塗り替えるだけではなく、既存の防水層に新たに1層設ける仕様ですので防水性の向上も期待できます。
バルコニーの防水は雨漏りを起こす前の予防処置が重要。実は雨漏りに気が付くのは、下地にあるベニヤ(構造用合板)などを突破してからなので、その時には下地の木材などがかなり傷んでしまっていることが多く、その場合、部分的ですが下地の張り替えが必要となり、さらにバルコニーの階下に部屋がある場合は、内部(屋内)の修繕も絡んでしまうので、まとまった支出がともないます。
是非、外壁塗装の際はバルコニーの防水も同時に施工することを計画にお見込み下さい。
軒ゼロを起因としたサイディングの不具合、対応方法は参考になりましたでしょうか?
今回のケースは、建築した当時には業界的にも想定も把握もできていなかった事象だったのかもしれません。
が、類似することは多くあります。
例えば、サイディングの直貼りから通気工法が当たり前になった事や、サイディングの厚みの最小値が14ミリに増した事など、不具合の事例を踏まえアップデートされてはきてますが、ユーザーにとってはたまったものではありません。
が、メーカーや建てた建築屋に相談しても保証外であることがほとんどで、調べたり交渉したりする労力と時間を考えると、アップデートされた部材などを用いて傷みに合わせ、上手にお手入れをするのが賢い選択なのかもしれません。
お住まいを大切にされている方で、お困りのことがあれば、泉建装がなんらかお役に立てるかもしれませんので、ご連絡ください。
余談となりますが
私たちは、雨漏りや結露など「水」の意図しない浸入が、住宅の構造にまで影響を及ぼしてしまう事を多く見てきました。
私たちがお住いの状況を診てもらいたいと呼ばれるケースは大きく2つに分かれます。1つ目が、①経年による劣化を想定し計画的に行う修繕。いわゆる塗り替えなど経過年数を目安にお呼びいただくケース。もう1つが、②雨漏りなど明らかに実害や傷みが確認でき、必要に迫られた突発的なケース。
細かな優劣の話はここでは控えますが、いずれも一長一短あるのでリスクだけお伝えすると①は定めた年数を優先し過ぎ、実態の劣化を軽視し放置してしまうリスク②はユーザーが想像しているより広範囲に傷みが及び大きな支出を伴うリスク。最悪の場合、工事をあきらめるケースもありました。
そこで私たちは①にプラスして、定期的にお住いの状況を目視で構わないので点検することをオススメしております。
異変があると思われたら写真を業者に送るなどして、確認してもらうのも良い方法だと考えます。
<Google口コミサイト>へのご投稿を頂きました。
『新築してから12年ほど経ったので、外壁塗装をお願いしました。
ひとつひとつの作業が丁寧で、連絡もこまめに下さり、安心してお願いすることが出来ました。
仕上がりも、申し分無しです。』
また、☆5つの高評価も頂きました。
ありがとうございました。