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2021年6月26日に豊島区のBマンション様におきまして、漏水調査(外部からの雨漏り)を行いましたのでご紹介させて頂きます。
▲全景:築年数48年。5階建てマンションとなります。
お問合せ
以前より、お付き合い頂いている建物管理会社様より、豊島区マンションでの漏水に関してお問合せを頂きました。
雨漏りは4階角部屋のお住まいになり、症状の出ている箇所は上階がベランダ廻りにあたるとの事で現地調査のご依頼となりました。
マンションのメンテナンスは、2010年にベランダ防水工事。2014年には大規模修繕工事をされているそうです。
ご依頼までの経緯
マンションやビルなどでの構造上、漏水の際のミズ道は複雑になっていることが多く、今後のメンテナンスプランの方向性などもお伺いしながら、ご提案をさせていただきました。
漏水は大規模修繕工事の数年後から発生していたという事や、現地調査の範囲内から推察すると、現地調査だけては原因のの判定が難しく、又詳しい漏水調査を行っても経年劣化の進行具合によっては、修繕だけで解決できない可能性があることもお伝えさせて頂きました。
居住者様のお話しだと、以前コンセントから緑色の液体が出てきたとのお話しもあったようです。
▲該当の4階ご住居
▲室内天井:ひび割れ漏水跡がありました。
最終的にオーナー様ご検討のもと、「漏水原因解明の為に今回しっかりと調査を行い、今後の補修・改修工事の資料としたい」とのご要望を頂き、本格的な漏水調査のご依頼となりました。
電気抵抗試験
雨漏り漏水調査の方法はいくつかの方法があり、
*電気抵抗試験による方法
*散水テスト・高圧洗浄等による方法
*赤外線による方法
などなど様々な方法が存在します。
今回ご提案させて頂いたのは、『電気抵抗試験』という方法で、ビルやマンション等のコンクリート造りの建物に最善とされる「電気抵抗による調査方法」になります。
ひび割れ内や外部に発生したエフロレッセンスは、電気を通す性質を持っていますので、電気抵抗計により電気の通る場所を探し出して漏水原因を特定する方法となります。
※エフロレッセンスとは白華とも呼ばれている現象で、簡単に説明するとコンクリート内部の物質が入り込んだ水分に溶け出し、外側の表面で空気中の物質と反応して結晶化したものになります。
【電気抵抗試験の調査方法】
雨漏り箇所と原因の想定箇所をケーブルでつなぎ、途中に電気抵抗計を設置、抵抗値の変動を確認する調査となり、その際に、電気抵抗計の動作状況を写真撮影して記録を作成していきます。
調査の流れ
今回の調査作業は4階の天井ひび割れ漏水跡に銅板固定センサーを取付け、もう一方は実線を延長した様々な先に移動センサーを接触させて電気抵抗試験を行い、漏水原因を探します。
【移動センサーによる計測状況の様子】
▲室内ひび割れ漏水跡
銅板固定センサー(電極)を固定。
▲5階バルコニー斜壁
もう一方の電極(移動センサー)で原因とみられる周囲を探査。通電確認。
▲5階バルコニー側壁(仕切り壁)
こちらでは通電確認の他、錆汁、エフロレッセンスの現象もあります。
▲5階バルコニー側壁(仕切り壁)
塗膜膨れ箇所とエフロレッセンスの箇所にて通電確認
▲屋上階パラペット斜壁
ひび割れ箇所にて通電確認
計測結果
今回の天井漏水の原因は、上記写真の4箇所と思われました。
結果を元に漏水原因を考えると、屋上パラペット斜壁のひび割れから侵入した雨水が塗膜下に滞水し、接着の弱い箇所をつたわり流れ、5階床上に再び滞水してひび割れから入り込んでくるミズ道ができ上った結果、該当の4階お住まいの天井まで漏水被害が出たと考えられました。
今後の対策
現状としては屋上パラペット斜壁のひび割れ、壁面塗膜の剥がれ、欠損箇所等から水が出入りを繰り返して劣化を進行させているようでした。
今後の参考案として、パラペット斜壁、外壁塗膜の劣化状況をふまえ、雨水が浸入しないための対策と既に浸入してしまいコンクリート内部に帯水してしまっている水気の排出を考慮した修繕工事が必要と考え、シート防水をご提案させて頂きました。
今回のご依頼は漏水原因を検査し、今後の補修・改修工事の資料とされたいとのご要望となり、「調査結果資料」に添えた対策案は、今後の補修工事に役立つ事を主目的にしてご提案させて頂きました。